養生について
漢方医学は「養生の医学」とも称されます。
養生とは
「生きることを養う」
「命を自ら養う」
という意味を持っています。
病気や痛みがあるのなら、
まずそれを治すこと。
これは治療です。
健康・健全であるのなら、
病気や怪我をしないように努めること。
これを「未病治」と言います。
つまり予防です。
そうして、より良く人生を楽しみ、
全うしていくことを目指します。
海外には「well-being ウェルビーイング」
という言葉があります。
「well-being ウェルビーイング」の定義は「心と体と社会活動、この全てが良好で満たされた状態であり、それが持続的であること」ということです。
治療は治れば終わります。これは持続的ではありません。
和気香風では、養生のための漢方指導、鍼灸施術、薬膳アドバイス、運動療法の指導などをおこなっています。
漢方医学の基本
漢方医学の基本は「天人合一」「心身合一」の思想です。身体と心、そして社会と自然。これらは別々のものではなく、すべて関係しあい、影響しあっている、という考え方です。
例えば、雨が続くと憂鬱になり、身体もなんだか重だるく感じます。古傷が痛み、関節が腫れ、頭痛やめまいを訴える人も少なくありません。これを現代では「気象病」とも呼びます。逆に、気持ちよく晴れた日は、身体も軽やかで、気持ちも爽やかになります。
このように、人は季節、天候、自然環境に影響されています。まさに「天人合一」です。
また、痛みや病気があると、精神的にも落ち込みやすくなります。例えば痛みによってイライラがつのり、仕事の効率も悪くなり、家庭環境にも影響するかもしれません。プロアスリートなら練習ができず、試合にも出られず、さまざまな悪影響が出ることもあるでしょう。
身体の健康・病気と、心の健康・病気はリンクしています。人が動けば影も同時に動くのと同じように、密接に関係しあっています。これが「心身合一」です。
そして、人は社会に生きています。仕事、学校、趣味、ありとあらゆる場面で、人は他者とどこかで関係しあっています。職場環境が悪ければ、心も身体も健全とは言い切れません。逆に、人間関係が良く、給料も満足し、仕事と家庭が両立でき、自分の好きな趣味も楽しめる。こうであればどうでしょう。
古来「漢方医学の真理を理解すると、その国の宰相になれる」とも称されてきました。劣悪な環境では、人の心は乱れ、身体も不健康になり、その国の経済、治安も悪化します。逆に、良い環境をつくれば、そこにいる人も良い状況になります。
現代でいうなら「SDGs」に取り組むことは、この社会環境を健康にしていくことに通じるのでしょう。
身体、心、社会、自然。この全ては分離できるものではありません。
だからこそ漢方医学は、病気や不調だけを見るのではなく、その人の暮らしと、その人を取り巻く環境ごと整えていくことを大切にします。これを「養生」という言葉でまとめています。身体と心を中心に、社会や自然とのバランスのとれた関係を築いていく。
そして、これはとても難しいことでもあるのです。
身体の養生、心の養生
自分自身で取り組む養生は、大きく「身体の養生」と「心の養生」の二つに分けて考えます。
ただ、身体と心は切り離せません。食べることは心にも関わりますし、身体を動かせば気分が変わります。
心が静かになれば、身体の力が抜けることもあります。
身体の養生
季節や体調に合ったものを、適量、楽しく食べる。
ぐっすり眠れる環境をつくる。着心地のよい服を着る。適度に身体を動かし、適度に休む。自分にとって心地よい「衣・食・住」を整えることが、身体の養生の土台です。
そうして、身体を心地よく動かすこと。
これも、昔から養生の一つです。
心の養生
頑張りすぎないことも、大切な養生です。
療養中の人、痛みが強い人、気力が出ない人など、動くこと自体が負担になる時期もあります。そんなときは、楽な姿勢で、自然な呼吸を感じてみる。気功ではこうした方法を「静功」と呼び、和氣香風では「静かな養生」としてお伝えしています。
動くことも、静かにすることも、どちらも必要です。その人が今どこにいるのかによって、入口が変わります。
療養中の方は、医師や医療スタッフの指示を優先してください。
和氣香風の目指す養生
和氣香風が目指すのは、お一人お一人の「生きる力」を、日々の暮らしの中で養っていくお手伝いです。
治療を基本としながら、身体と心の養生を、次の五つの柱で考えています。
- 食の養生(薬膳)
- 漢方薬の養生
- お灸の養生
- 身体の養生(動く養生)
- 心の養生(静かな養生)
身体と心は、社会や自然とつながっています。
ひとりの養生が、暮らしを整え、社会を整え、自然とのよい関係につながっていく。
和氣香風は、漢方薬・鍼灸・薬膳・医武道の活動を通して、社会貢献に寄与していきたいと考えています。
動く養生と静かな養生
和氣香風が考える養生は主に、
「食」「漢方薬」「お灸」「身体」「心」の五つの柱で考えています。
生きていくこと。そして、生きていくための力を、日々の暮らしの中で丁寧に養っていくことです。
「してもらう」から「自分で動く」へ ― 義母の身体に起きた変化
足腰の衰えを感じていた義母が、運動型デイサービスへ通い始めて感じた身体の変化。マイオカイン・エクサカイン研究や高齢者の身体活動も踏まえ、「してもらう」ケアと「自分で動く」養生について考えます。
常識は変わる ― 医学が進歩するとは、身体を見る「解像度」が上がることなのかもしれない
乳酸、筋肉、ストレス学説とピロリ菌、痛みの定義。医学の常識はどう変わってきたのか。鍼灸・漢方研究の現在地とともに、身体を見る「解像度」について考えます。
身体が忘れかけている動きを思い出させる5分間
「健康のために運動した方がいい」ということは分かっていても、「どのくらい動けばいいの?」「自分は何をすればいいの?」と迷う方は少なくありませんが、身体を動かすことは、昔から「養生」のひとつ。今よりも少しでも多く身体を動かしましょう。
レッスン・セミナー
各種監修
リクエストに応じて、店内でプライベートレッスンをしています。中医学/漢方基礎・臨床理論、薬膳茶レッスン、武術・気功教室、よもぎ蒸しサロン監修、薬膳茶カフェメニュー監修、その他、薬日本堂漢方スクールをはじめ、外部でのセミナーも承っております。