数ヶ月前、近所のコンビニで見つけた「バジリコ栽培キット」。
見事に成長し、今は料理にバンバン使っています。
育った葉や、伸びた芽を摘むと、新しい芽や葉が出てきます。
しばらく楽しめそうです。
あとは、いくつかは花を咲かせてタネを入手し、また撒いていきたいと思います。
うまく育ってくれーーー!!
そんなバジリコですが、日本には江戸時代頃に中国から入ってきたのをご存知でしょうか?
中国名の「羅勒(らろく)」として渡来し、和名で「目箒(めぼうき)」という生薬として活用されてきました。
種に水を加えると、ゼラチン状の物質に覆われかなり大きくなります。
最近よく見かける「バジルシード」がそれですね。
東南アジアでは、デザートなどにしてよく食べるそうです。
そもそもバジリコは、インド、熱帯アジア圏原産のハーブで、シソ科めぼうき属に分類されています。品種は100を超えるそうです。
私は、ジェノバに生徒がいて、講習のため招かれることがあるのですが(今年も秋に行く予定)、ジェノバといえばイタリアンバジルの産地で、ジェノベーゼで有名ですね。
それに使われるスイートバジルとは品種が異なりますが、「羅勒」、「目箒」もバジリコの一種です。
我が家にある「和漢三才図会」という江戸時代の百科事典にはこうあります。
和漢三才図会 巻第九十九 葷草類
「羅勒(らろく・ろうれつ) 」
別名 : 蘭香 香草 瞖子草(えいしそう)『本草綱目』(菜部葷菜類羅勒[集解])に次のようにいう。
羅勒はあちこちにある。
三月に棗(なつめ)の葉の生え出るときをまって種(う)えると生える。そうでなければ生えない。いつも魚腥水(うおのあらいしる)・米泔水(こめのしろみず)・泥溝水(みぞのどろみす)をそそいでやると、香りが出て茂る。糞水(こえ)をやるとよくない。
三種あって、一種は紫蘇の葉に似ている。
一種は葉大きく、二十歩内に香りが漂う。
一種は生菜とすることができるものである。餞饉(ききん)の年には飢えを救うのに用いるとよい。子(み)の大きさは蚤(のみ)ぐらいで、褐色で光らない。七月に子を収穫する。
羅勒子(らろくし)
乾いた子を用いて目の瞖(かすみ)や塵が目に入ったのを治す。
三、五顆(つぶ)を目の中にそっと入れる。
しばらくすると湿り脹(ふく)れて、塵と一緒に出てくる。
目はちょっとの塵が入ってもころころするのに、この子なら三、五顆入れても何のさまたげにもならないのは一つの不思議である。
引用は以上です。
また、「國譚本草綱目」を調べると、菜部に羅勒の記載がありました。
だいたい、先ほどの和漢三才図会と同じ内容です。
「國譚本草綱目」菜部にある羅勒の記載
葉や茎は、胃腸の調整、浮腫などを消し、歯や歯茎の炎症に用いたようですね。
種子は、やはり目に入ったゴミを取ったり、膿んだ時や充血、涙がよく出る時にも用いたようです。
うまく、育てているバジリコから種子が取れたら、試しに目に入れてみようかな・・・
その時はまたコラムに書きますね。
– くま先生 –