膝の痛みと経筋治療

講義ではよく説明するのですが、「経絡」には細かな区分けがあります。

まず「経脈」と「絡脈」に分かれ、そこからさらに細分化されていきます。この経脈の中に「経筋」という分類があります。経脈は「気」の通路ですが、この通路が走行する筋・骨格系統という感じでしょうか。

臨床上では、おもに筋肉、靭帯、腱、筋膜、関節部分などの痛み、痺れ、麻痺などが経筋病症に分類されます。つまり運動器疾患のことを指します。

捻挫、靭帯損傷、筋肉痛、関節痛、肉離れ、突き指、打ち身・・・
これらに対して「経筋」という整体観から調えていきます。
さらに和氣香風では、骨折、骨のヒビ、骨壊死なども経筋病症に含めて施術にあたっています。


先日、膝を痛めたという20代のアスリートが来ました。

彼は、陸上選手ではありませんが100メートルを10秒台で走れる身体能力があり、パルクールなどを行っています。

まず、痛みの場所、角度などを検査します。
どの姿勢・重心で痛みが出るか?をチェックし、同時に膝の向きなども確認します。

骨格にも建築物のような構造原理があり、その構造にズレ、歪み等が生じると関節痛などを発生しやすくなります。
膝の場合は、つま先の向きと膝頭の向きが不一致になると痛みが出やすくなります。
そのため、まず足首の角度を位置を少し調整します。

体というのは、パーツに分かれているように思いますが、実際には一つで繋がっています。
つまり、足の指から手の指、頭の先まで繋がり、連結して動いています。
ですから、膝が痛い場合も、痛む部位だけではなく足先から全身の繋がりを再構築していくように処置をします。

足底、足首に触れながら、脛骨、腓骨、膝関節、大腿骨、股関節、腸骨、仙骨、腰椎・・・
と、骨格と骨格筋の繋がりを作っていきます。

こうして文字で書くと、なんだかよく分からない感じがしますが、実際にはもっとシンプルで簡単です。

とにかく、経絡を通じて気が流れ、途切れずに循環しているように、筋・骨格系も連結、連動し、運動エネルギーが循環しています。その流れを再構築してあげると、痛みや痺れ、麻痺などが改善してきます。

彼の場合、足首と足底の角度、重心のバランスを調整すると、それだけで膝の痛みがかなり軽減しました。
その上で、足底から膝、股関節へと力を促通させ、動きの連動を作っていきます。
同時に、痛みの強い部位には短い鍼をごく浅く置鍼し、そのまま同じように動きを誘導します。

こういう方法を「運動鍼」ともいい、学生時代から研究と研鑽をしてきました。

強く踏ん張っても痛みがほぼ無く、膝の屈伸もスムーズになったところで終了。
あとは、再発予防のためのトレーニング法、コツを教えて終わりました。

スポーツをしていると色んな怪我がおこります。
その怪我がきっかけで、練習を休む、あるいは競技を辞めなければならない、プロ選手を引退しなければならない、という相談も受けるのですが、体が持っている可能性を引き出せれば、競技が続けられる可能性がでてきます。

お悩みの方は、ぜひご相談ください。