大人のニキビケア

鍼灸担当の山本浩士です。

時々「ニキビ」の相談がきます。多くは、思春期の若者のニキビですが、たまに大人のニキビも相談されます。

所詮はニキビ、されどニキビです。やはり、顔は目立つ場所なので、ニキビがない肌が理想ですよね

漢方薬と鍼灸は、ニキビにもよく効くんですよ。

ニキビは、「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」あるいは「面皰(めんぽう)」や「ざ瘡」とも言います。

ニキビは、主に皮脂の過剰分泌などによって毛穴がつまり、皮膚に常在しているアクネ菌などの常在菌が異常発生しておこります。
アクネ菌は、皮脂を餌にして増殖し、過剰になると炎症を起こします。

尋常性とは「よくある」「普通の」という意味なので、ニキビは誰にでも起こりえる、よくある症状ということです。その原因は、ホルモンバランスの乱れなどの生理的要因が多く、思春期ニキビの主な原因がこれです。

ニキビに似たものには「めんちょ・面疔・毛嚢炎」があります。
これは、毛穴に黄色ブドウ球菌などが入り込み、毛嚢と呼ばれる部位に炎症を起こします。「癤(せつ)」「おでき」とも言います。
これは、赤く炎症をおこし、痛みを生じたり、化膿が進んで悪化することもあります。

毛嚢炎などの炎症が悪化し、全身への倦怠感や発熱などを発症すると、これを「癰(よう)」と言います。赤く熱を帯び、触ると痛むことも少なくありません。

これらは、一見すると「ニキビ」と似ていますが、少しずつ違います。
例えば、熱感があるか無いか、痒みがあるか無いか、このような違いで処方する漢方薬も変わってくるのです。

ただ、ニキビが出来る漢方的病理(これを弁証といいます)はシンプルです。
気血の流れが悪いので、その流れを改善させることを目標とします。
例えば、目に出来る「めばちこ(麦粒腫)」や、喉に出来る「ポリープ」神経に出来る「神経鞘腫」、あるいは「いぼ」「ガングリオン」「結節」「腫瘍」「癌腫」などなど、これらもまた「体にできた出来物・おでき」と考えて対処していきますので、たとえ病院で原因不明と言われたとしても、やりようはあるのです。

さて。
ニキビは、もちろん大人にもできます。
大人にできるニキビは、その発生機序は同じですが、原因の多くは「ストレス」「不規則な生活習慣」が考えられます。

例えば、女性なら化粧の洗い残しであったり、油っこいものをたくさん食べたり、睡眠不足などに影響されることは少なくないでしょう。

漢方では「瘀血」「湿熱」という弁証をします。
基本的には「ニキビ」「せつ」「よう」などの違いはありますが、あくまでも体の状態、現状、体質から判断をしていきます。

江戸時代の医学書にも、面疔、癤、癰への治療法などはよく散見されます。
昔から、顔にできるできものは、早く治したい!とみんな思っていたのですね。

江戸時代の医学書にも、面疔、癤、癰への治療法などはよく散見されます。
昔から、顔にできるできものは、早く治したい!とみんな思っていたのですね。

漢方薬では、もとの体質(原因)を改善させながら、今ある熱を取り去って解毒するような処方、あるいはその方の体質をのものから変えていく処方などの選択肢があり、ご希望に合わせながら処方が組み立てられていきます。

鍼灸では、脈診や腹診なども加味して、全身の状態を調整しながら、ニキビのある局所へ鍼をすることが多いかと思います。
まず、脈やお腹の状態から状態を判断し(弁証)、それに合わせた鍼と灸を施します。
科学的にも、鍼灸をすると神経反射を介して消化管の動きが活性化し、腸内フローラ(腸内細菌叢)の改善、活性化が示されていて、いわゆる善玉菌を増殖させ、悪玉菌を減少させる効果が認められています。
腸と皮膚もまた関係しているため、腸の機能、腸内環境が良い方向へ変わっていくことで、皮膚の状態もまた変化をしてきます。

こうした体質改善に加えて、今ある問題、悩み、つまりニキビそのものへのアプローチも行います。
和氣香風では、ニキビの周囲を囲うように鍼をする「囲刺」という方法や、表層の熱気を取り去る「散鍼」という方法を用います。
髪の毛よりも細い鍼を、1ミリ以下の深さに素早く鍼を刺します。
刺すというより、当てるという感じが近いですね。

こうした技法を、ニキビや毛嚢のある部位に施します。
例えば、妊娠線とか、手術の痕、あるいは昔怪我をした痕、あざ、イボ、こうしたものにも同じように鍼をしていきます。
その上で、漢方薬を飲んだり、漢方の塗り薬などを併用していくと、とても回復が早まります。

和氣香風では、美容のための美容鍼はしませんが、ニキビ、毛嚢、イボ、こうした症状の改善には力を入れています。
ニキビのない、綺麗な素肌を取り戻すお手伝いができればと考えています。
顔面神経麻痺や眼瞼下垂なども、早く改善した方が美容的にも良いので、こうしたこともしっかり対応させていただきます。
こうしたお悩みは、漢方薬と鍼灸の併用に加え、食事習慣やさまざまな生活習慣を少しずつ変えていくことで、より総合的な改善、早期の改善が期待されます。
お悩みの方は、お気軽にご相談ください。