こんばんは、鍼灸担当の山本浩士です。
今日は嬉しい書物が届きました!!
公社)日本柔道整復師会が、柔道整復術公認百周年記念出版として会員向けに発刊された、江戸時代の骨継(整骨)の翻訳本です。
私は柔道整復師ではないのですが、友人の柔道整復師から「こんな本が出るみたいですが要りますか?」と連絡があり、迷わず「はい!」と即答。
友人のおかげで入手できた逸品です。
ホンマありがとうございます!!
私は柔整師ではありませんが、古流柔術を長年学んでくる関係で、柔術に伝わる治療法などに触れる(または学ぶ)機会がありました。
鍼灸師には無関係のように思われますが、古くは「医心方」にも骨傷の話が出てくるほどで、骨接は鍼灸や湯液とも通じています。
ただ、現代の整骨院で行われていることは大きく異なるように感じています。
実際に、3つの鍼灸整骨院で勤務した経験からですが、古来の骨継、整骨術というものではありません。
骨継には、大きく「漢方医学の系譜」と「日本独自の系譜」、それと「武術からの系譜」とに分類できるようです。
鎌倉時代、室町時代へと移り変わるうちに、戦場での医学として「金瘡医術(つまり外科)」が主流となります。
(特に鍼灸術はこの時に一度廃れたと言われています)
やがて金瘡医は「産科」を兼任するようになっていきます。
また、外科医とはいえ、当時は「漢方薬」が使われることから、中医学や漢方医学の理論や技術も混じっていったようです。
高志鳳翼が書いた「骨継療治重宝記」には、黄帝内経からの引用や、経穴名、それと漢方薬の処方も多く書かれています。
各務文献の「整骨新書」は、蘭方医学の要素も多く含み、解剖学の話が多く見られます。
「正骨範」の二宮彦可は、蘭方医学などを学ぶほかに、中国人から武術を学び、武術における治療技術を融合させたとされています。
古流柔術の一派にも、中国人から武術と医術を学び、経絡経穴の理論を組み込んだ流派があったほどです。
私が鍼灸の世界に入った理由のひとつに、武術との関連性の高さが挙げられます。
もちろん古来の骨継術を学ぶべく、柔道整復師の道もあったのかも知れませんが・・・
正骨範と骨継療治重宝記は、復刻本が自宅にあって読んだのですが、これは整骨新書もまとめ、3冊の影本と翻訳が一緒になった貴重な本。
かなり勉強になります。
我が家の素晴らしい蔵書が増えました。
ありがとうございます!