鍼灸は「気の医学」です。
それは現代医学の理論、考え方とは随分異なります。
10年ほど前、大先輩に言われた一言は、
「人の身体を固体だと認識したらダメ」
でした。
鍼は、気を流し巡らせることが大事な目的。
気はスムーズに流れていれば良く、流れが悪いから痛みや炎症が起こり、さらに固まれば腫瘍などが出来る。
だから、巡らせることが出来れば、症状は改善するということですね。
つまり、巡らせられるのなら、どんな鍼でも、どんな技法でもオッケーだと言えます。
ひとつ臨床例を挙げてみます。
下顎にある神経鞘にできた良性の神経鞘腫への施術を依頼されました。
数年前にみつかり、良性であることと、下手に神経に触らない方が良いとのことで、病院では特に処置をせず経過観察。
それでも気になると言うことで来院。
皮膚の上から触っても、シコリが触知されます。
米粒よりは大きく、小さな小豆ほどでしょうか。
腫瘍のある部位は大腸経と胃経上なので、合谷、三里、下顎部に置鍼。
その上で衛気を流すように気功施術をしました。
20分後、手応えとしてそろそろ良さそうと思い抜鍼し、患者さんに患部を触ってもらうと本人でもほぼ見つからないぐらい小さくなってました。
圧痛もほぼ無し。
腫瘍が消えたのかどうか、改善したのかどうかは病院で検査をしてもらうしか方法はありませんが、施術後の反応は事実です。
流水腐らず、戸枢螻せず。
絶えず動いていれば、傷まず病まないと言うことですね。
だから、養生法として「気功」が何より重要になってきます。
自分の気血を自分で巡らせましょう!!