漢⽅医学は、古代中国の「氣」の思想から発展してきたと⾔えます。
宇宙を構成する物体中で最も⼩さい物、これ以上は⼩さく出来ない物質、それを古代⼈は「氣」と名付けました。
氣は常に動き、集まり、散っていく存在です。
それは宇宙の法則であり、その影響を受けて⼈も産まれ、成⻑し死んでいくと考えます。
病気とは、その氣の働きが低下し、流動性が低下あるいは亢進、あるいは固定化するために
⽣じると考えられ、それを解消させるのが漢⽅医学の狭義での⽬的となります。
また、⼈には⼼があり、⼼の状態は⾁体にも強く反映されます。
例えばショックな事があると⾷欲がなくなり、イライラが続くと胃が痛くなり肩もこりやすくなります。
そのため、「⾁体を適度に動かし、⼼は動揺させずに安定させる」ことが⼀番⼤事だとされてきました。
それが「気功」として体系化していきました。
次に⼤切なことは、飲⾷の不摂⽣を正し、⾷べたり飲んだりすることで体調をコントロールすることです。
これが「薬膳」の始まりです。
薬膳スープやお茶から煎じ薬が発明され、そこからさまざまな形状の薬が作られるようになりました。
内服することで、体の中から変えていこうとするものです。
そこから、より薬性、毒性のあるものを組み合わせて、薬として作られたものが漢⽅薬です。
昔は、⾷事で治療をする⼈を「⾷医」と呼び、漢⽅医より上位にあったと⾔います。
それでも痛みや痺れ、怪我などが治らない場合、鍼や灸、按摩や導引、あるいはカッサや吸⽟といった外からの処置が必要となり発展してきました。
痛みや症状があると⾔うことは、どこかで気の流れが悪くなり、詰まった結果だと考えます。 そのため、さまざまな⽅法を⽤いて氣補い、氣を巡らせ、本来あるべき状態に戻していくこと、これが漢⽅医学の⼤きな⽬的になります。
だからこそ、実践して頂きたいのが「養⽣」です。