悲しみ過ぎると肺が弱る

漢方医学には「五行」という理論があります。
その中で「肺は悲哀の感情をつかさどる」と伝えられています。

先日、年配の女性が久々に鍼療に来られました。
3週間ほど前に風邪をひき、咳が酷くて大変だったと教えてくれました。

色々と話を聞くうちに、
「実はね、最近17年飼っていた犬が亡くなったのよ」と話してくれました。
「そうでしたか」
「もうね、悲しくて悲しくて・・・その日の夕方にね、急に風邪をひいてしまったのよ」

漢方では「心身相関」として身体を観ていきます。
感情の動きと、肉体は関連しているという考え方ですね。

強い悲しみの感情は、氣を揺さぶり、そとに漏れ出させ、嗚咽をしたり呼吸が苦しくなり、氣が漏れることで衛氣(バリア力)が弱まり風邪などに罹患しやすくなります。

過去に、同例のケースを数人見てきましたし、僕自身も実体験したことがあります。

だから、養生の基本の一つは「感情を大きく動かさないで、静かに平穏を保つ」ことです。

弱まったものは漢方薬や鍼灸で整え、気功の実践を通して自分をコントロールしていければ良いですね。