こんにちは、鍼灸担当の浩士🐻です。
先日、定期的に鍼灸へ来られる女性が来院。
挨拶をすると、その日の朝から排尿時の痛みがあり、今も下腹部に痛みがあると言いました。
排尿時の痛みなら、尿道炎か膀胱炎、あるいは腎盂腎炎の可能性があります。
血尿や膿などは目視できなかったそうです。
過去にも、膀胱炎の既往歴があるというので、おそらく「急性単純性膀胱炎(急性膀胱炎 )」かなと思います。
なんにせよ、排尿痛があるので尿路感染症には間違いないと考えらえます。
仕事のストレスに加え、ここ数日の急な気温低下、冷たい雨も降ったことで「冷え」も体に入ったかもしれません。
漢方医学では、細菌やウイルスなどを含め、外からやってきて病気を引き起こす原因となるものを「外邪(がいじゃ)」あるいは「疫癘(えきれい)」などと呼びます。
体が疲れ、冷えてくると防御力が低下し、このような外邪が体に入って悪さをすると考えます。
このような症状、つまり感染症にはやはり「お灸」が効きます。
お灸をすることで、さまざまな生理的な反射が起こることも、科学的な研究でわかりつつあります。
もちろん、尿路感染症にもお灸はよく効きます。
お灸の熱で体を温め、気血の巡りを促進させ、冷えなどを追い出し、健康体を取り戻しましょう。
今回も、尿路感染症(尿道炎や膀胱炎)に対する特効穴(特定の症状に対して特異的に効果を発揮するツボのこと)の場所があるので、そこへお灸を据えました。
米粒ほどに小さくひねった艾を、選んだツボの上に乗せて線香で火をつけます。
80%ほど燃えたところで、指で摘んで消火をして灰を取り除きます。
これを「八部灸(はちぶきゅう)」と言います。
私が今回使ったツボは、
三陰交、絶骨、次髎、下髎、腎兪
です。
今回のように排尿痛や下腹部の疼痛があるような時は、ちょっと回数を多めにお灸をします。
「今どんな感じですか?」と聞いて、変化を確認しながらお灸をします。
女性は、「お灸をされているうちに、お腹の中で何かが動く感じがして次第に痛みが引いていくのがわかる!」と驚いていました。
そのままお灸を続け、約30分の灸治を終えると、ずっと下腹部に感じていた疼痛は無くなったようです。
予防のために、妻が膀胱炎に良い漢方薬を出して終えました。
これから気温は下がり、空気も乾燥してきます。
膀胱炎などの予防には、適度な水分補給も重要ですので、しっかり水や白湯もとってください。
あと、疲れも感染症の大敵ですから、休みの日はしっかり休み、夜は暖かくして早く寝るようにしましょう。
尿道炎や膀胱炎の予防として、外出先でのウォシュレット使用を避けるのも重要だと思います。
過去に、尿路感染症になった人は特に気をつけてくださいね。
こうした内臓の炎症には、お灸と漢方薬のコンビネーションがとても良いです。
お悩みの方は、一度ご相談ください。
和氣香風 山本浩士
