胃や肝臓が疲れたり、炎症が生じると、背中や肩が重怠くなったり、痛みが出ることはよくあります。
内臓体壁反射とも呼ばれる自律神経の反射現象で、鍼灸でよく使われる理論の一つです。
40代男性
1ヶ月ほど背中が痛むようになった。
常に痛いわけでは無いが、疲れがたまってくると、みぞおち付近と、背中が重だるくなり、時にズキズキとした痛みに襲われる。
精神的緊張と、肉体疲労が原因かと思われる。
便秘は無く、食欲も低下気味。
睡眠もやや浅め。
脈はやや浮気味だが、熱の脈ではなく、表面が少し硬めで気血の不足と停滞が感じられる。
お腹は、心下部から胸脇にかけて抑えるとズキッと痛む。
また、ヘソに向けて硬さがあり、やはり押すと腰まで痛みが響く。
肝臓、十二指腸のあたりは、日中でもズキズキ痛むことがある。
背中は、心兪から胃兪あたりにかけて痛みが広がる。
一番キツイのは、隔兪と肝兪あたり。
肝臓(右の不容、期門)あたりに極々軽い持続圧を30秒ほど与え、皮膚から20センチほど離れた衛気の調整を開始。
流れの悪さ、気滞を感じるので、それを流すようにします。
始めて10秒ほどで、肝臓の奥のほうに激痛が走りはじめる。
そのまま数秒、痛む部位の奥から「ゴロッ」と腹鳴がし、スーッと痛みが消失。
それと同時に、背中の痛みもほぼ消失。
その後、もう少しお腹と背中の調整をして終了。
肩や背中のコリ・痛みには、内臓の不調が隠れていることもあります。
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