鍼灸師の山本浩士です。
鍼灸学生の頃から、手洗い、手指消毒、患部消毒、院内衛生管理などについて、徹底的に叩き込まれます。
欧米の鍼灸師さんの中には「指輪」「ブレスレット」などをしたまま鍼を打つ人もいますが、日本ではまず有り得ないです。
最近は、往診で使っていた消毒材料を、来られた方に使ってもらうように出しました。
しかし、マスク同様、消毒薬も入手困難!!
飛沫感染のリスクを下げるため、注目したのは「空間除菌」という考え方です。
《空間除菌》
今は、ナノイーX機能付きの空気清浄機を使ってはいますが、やはり「ウイルス」を相手に考えるとちょっと物足りない。
そこで、ウイルスにも強く、空中散布はもちろん、ドアノブ、衣類、色んなものにも使えるものを探してみました。
その中で、「AUSIRO」という商品を発見。
エタノールや次亜塩素酸系とは異なり、ナノテクノロジーを駆使したものだそうです。
マスクに塗布することも、加湿器に入れても使えると言うこと!!
なんか心くすぐられたので、即発注。
さらに、加盟している「自由ヶ丘商店街振興組合」から「マスク」と「除菌剤」を頂きました。
これは本当に有難いです。
この「REMO.」、調べるとなかなか優れ物!
次亜塩素酸ナトリウム系ではあるけど、少し違うそうな。
超音波加湿器にも使えるということで、さっそく自宅にあった加湿器を持ってきて、今日から高純度次亜塩素酸ナトリウム水による、院内除菌を開始。
自宅は「ジアイーノ」を使っていますが、塩素臭がやはり出ます。
しかしこれは、あまり塩素臭くなくていいですね。
しばらく使ってみようと思い、多めに発注。
受身でただ待つのではなく、とにかく今出来ることを前向きに、積極的にドンドンやっていくことが大事と考えています。
その方が楽しいです。
《日本の公衆衛生》
私は、10代の頃からバックアップを担いでいろんな国を旅して周りました。
20代後半からは、古武道の師匠の鞄持ちとして、ヨーロッパ指導に付き添って周り、ここ5年は、鍼灸指導の仕事のため、ポーランドとイタリアへ出張もしてきました。
そんな中で感じることは、「日本国の公衆衛生のレベルは高く、基本的に日本人は綺麗好き」ということです。
上下水道完備は当たり前、抗菌グッズは当たり前、トイレのウォシュレットも当たり前、飲食店でのおしぼり当たり前、小さい頃から手洗いうがいは指導され、お風呂やシャワーは大好き。
消費期限や賞味期限が気になり、傷んだものは即廃棄。
なかなかこんな国は無いです。
国と地域にもよりますが、海外の街を歩いていて目に入るのは「ゴミ」と「犬の糞便」です。
今の日本では、どちらもそれほど見かけませんが、海外へいくとそうもいきません。
街並みは美しいのですが、足元を見ると・・・テレビでは映せませんね。
イタリアの友人と話していると、ようやく散歩中の犬の糞便を取って捨てる活動が始まったそうです。
日本では、持って帰るには当たり前として、今ではボトルに水を入れて持ち歩き、それで洗浄する活動が広がっている、そう教えると「そこまでやるんか!」と驚いていました。
むしろ「日本はやりすぎ(神経質すぎ)!」と思うほどですが、コロナ騒動における各国との違いを見比べると、公衆衛生の高さが、欧米のような感染拡大にはならなかった要因ではないか?
公衆衛生の専門家ではないので、本当のところは分かりませんが、なんとなくそう感じているのです。
食品廃棄問題やら、衛生過剰による問題も多々ありますが、時に良いこともあるのでは?
と思えてきます。
《江戸はキレイだった》
前に読んだ本に、江戸時代の街はいかに清潔であったか?というものがあり、へーーーー!!と思った覚えがあります。
下水や上水の整備も行き届き、糞便は農家で買い取られ堆肥として使われたので街はキレイだったそうです。
逆に、ヨーロッパでは糞便は川や道にそのまま捨て、垂れ流したそうです。
旅を通して各地を歩くと、街並みはキレイでも足元を見ると・・・というところは多いです。
日本も完璧ではありませんが、それでもレベルは高めです。
例えばこのリンク先も読んでみてください。
ちょっとこの「江戸はスゴイ(堀口茉純著)」を読んでみようと思います。
面白い!
「靴は脱いで家に入る」のも当たり前ですね。
ちゃんと「玄関」「土間」があり、「居間」とは分離されています。
江戸時代は、わらじや草履などが履物ですから、家へ上がる時は足を洗う、あるいは拭う、ということをしてから上がります。
土足で座敷へ上がるのは、盗賊か討入に来た侍か、諜報や暗殺に来た忍びくらいなものでしょう。
ヨーロッパへ行くと、家へ入るときに靴を脱ぐ人も多いですが、別に脱がずに入る人もいます。
構造上、土間や「上り框」があるわけではないので、
内外の区別も曖昧です。
靴などに付着した雑菌、汚れが室内に入りやすいのは仕方ありません。
《漢方医学での空間除菌》
衛生環境も、その国の風土、風習、文化によって作られるものですから、良し悪しはありません。
そこはそれが普通で、そういうもの、ですから優劣もないことを付け加えておきます。
いま、うちでは次亜塩素酸やエタノール、高圧滅菌機などを使って、手指や器具、あるいは空間の衛生管理をしています。
もし、消毒薬なども在庫切れになったらどうするか?
といえば、そこは漢方の知恵を使います。
◇もぐさ
◇酢
の出番です。
お灸の煙には、もぐさ(よもぎ)の芳香成分、精油成分が含まれており、それには殺菌消毒効果が認められています。
古来、倉庫や寺社仏閣の「虫祓い」「厄除け」に「もぐさを燃やした煙で追い出す」という方法があったそうです。
エンベロープを持つコロナウイルスにどこまで効果があるかはわかりませんが、やって損はありません。
ですから「お灸の煙」はとても大事です。
もぐさの香りが心身にも働きかけるのは、臨床をしているとわかります。
次に酢。
以前読んだ資料には、40%濃度の穀物酢では、細菌などの増殖が抑えられるという研究結果が書かれていました。
これも、コロナウイルスやインフルエンザウイルスにどこまで効果があるのか?はわかりませんが、20代の頃、中国人医師に【酢と水を1:1で割って、弱火で沸騰させ、30分ほど部屋に置き蒸気で空間を除菌する】という方法を学びました。
やってみるとわかりますが、部屋が・・・酢臭くなります・・・
ただ、しばらくすると匂いも落ち着き、なんとなーく部屋がスーーっとしている感じがします。
ウイルスはわかりませんが、部屋が気持ち良くてそれはそれで満足でした。
よかったらお試しください。
ウイルスはわかりませんが、部屋が気持ち良くてそれはそれで満足でした。
よかったらお試しください。
疫病の拡大リスクを下げるには、公衆衛生と、換気やこまめな清掃などの環境管理も重要ですね!