昔、中国には「薬補不如食補 」という言葉があると教わりました。
薬で補うは食で補うに如かず!
漢方医学では、病気は「気の虚」から始まると考えます。
生きている限り、全てが虚になることはまずありません。
全ての虚は「死」を意味しますので、どこかが虚になると、どこかが「実」になります。
シーソーのようなイメージですね。
虚のところは、弱り、冷え、停滞してきます。
実のところは、その逆ですね。
実は、炎症や発熱と言えます。
そうなる前提に、虚が強くなり、身体が弱くなり防御力や修復力が低下するため、炎症などが起きるんですね。
そうして「停滞」を生み出し、さまざまな問題が体内に生じるようになります。
ですから、薬を使って「虚を補う」ことが根本的に必要となります。
しかし、薬よりも大事なのが「食」です。
「薬補不如食補」は、「薬で補う事よりも、食で補うことが大事だ」という意味です。
昔は、医師より上位に「食医」がいました。
食事で、身体を調整し、病気を防ぐことをする職業ですね。
本当の意味での「薬膳」ですね。
先生には、その続きの言葉も教わりました。
それは「食補不如氣補」、つまり「食で補うは氣で補うに如かず」・・・です。
氣で補う、氣を補う。
これはつまり「気功の実践」ということになります。
人は、数日飲食をしなくても死にませんが、10分も呼吸を止めれば死ぬ確率が高いですね。
つまり、食よりも呼吸の方が、生命への影響力が高いと言うことです。
気功は、呼吸法のことを指すわけではありませんが、目には見えない「氣」を取り入れ、吐き出すので、氣の呼吸とも言えます。
和氣香風では、漢方薬と鍼灸治療を中心としていますが、薬膳も取り入れてほしい為、その食材を色々と取り扱っています。
薬膳マルチポットを取扱い始めたのも、漢方薬や薬膳をもっと手軽に楽しんでもらう為です。
そうして、それらの中心に「気功」を重視していて、私たち夫婦はともに修行中です。
薬補不如食補 食補不如氣補
姿勢を正して座り、背筋を伸ばし、肩を下げ、全身をリラックスさせ、目を軽く閉じ、大きく深呼吸をしましょう。
そうして、それを10回繰り返しましょう。
気持ちよく、大きくゆっくり続けます。
空気ではなく、その中にある「氣」を吸い取っているイメージをしてみましょう。
それが、全身に満ちてくるような、そんな感覚を味わいましょう。
ゆっくり目を開け、身体を伸ばし、関節を動かし、補った氣を巡らせましょう。
ご飯を食べる時は、その食物の氣を、消化管から吸収して補う、そんな感覚で食べてみましょう。
薬よりも食よりも、まず氣で補え!!
先人の言葉が響きます。