人の死体も漢方薬!?

鍼灸師の山本浩士です。

今日は、ちょっとした雑学、漢方薬の知られない世界の話を少し・・・

みなさんは「山田浅右衛門」という人物をご存知ですか?

御様御用(おためしごよう)」という役職についた侍の名前です。
この仕事は、打った刀の「試し斬り」をするのですが、そこから「罪人の首を斬る」仕事をしていくようになります。

昔、必殺仕事人に滝田栄さんが演じる「山田朝右衛門」が出てきますが、7代目山田浅右衛門をモデルにしたとかどうとか・・・

そんな山田浅右衛門に関する記事を最近読みました。

斬った人間の臓器で薬を製造。江戸の死刑執行人、首切り浅右衛門の恐るべき仕事

その中で、首を斬った罪人の内臓などで薬を作っていたという記載がありました。

妻に確認すると、人肉は知らなかったが「頭髪」は漢方薬になると聞いていると。

なるほど!

そこで、我が家にある「國譚本草綱目」という薬草学の本を調べました。

本草綱目」は、李時珍(1518年〜1593年)という医師が書いた薬草学の古典です。

日本にも輸入され、多くの漢方医に読まれました。
1607年には、医師の林羅山が長崎でこれを入手し、徳川家康に献上
健康マニアだった家康は、これを契機に本草(薬草)の研究を始めたと言います。

本草綱目には、今では考えられないようなものまで薬として紹介されています。

その中に「人部」があります。
久々に開くと、いやーたくさん出てきます。

人肉やミイラもありますね。
山田浅右衛門が、労咳(結核)のための丸薬を死体から作っていた・・・というのもあり得るなーと思いました。

もちろん、今ではそんなものは使いません(使えません)し、今の日本漢方は「植物」「鉱物」がほとんどで、いわゆる「動物薬」は使われません。

当然、和氣香風で扱う漢方薬にも、人肉などは無いのでご安心を!!