夏は胃腸を元気に!

こんにちは、鍼灸担当の山本浩士です。

コロナ騒動も少し落ち着いてきました。
とはいえ、また流行しないとも限りませんので、引き続き「手洗いうがい」の慣行が大事です。

風邪、インフルエンザなどは、常に季節に応じた流行をみせます。

夏は、「エンテロウイルス」と「アデノウイルス」がよく流行します。

エンテロウイルス属の「コクサッキーウイルス」に感染すると「手足口病」「ヘルパンギーナ」という感染症になります。

アデノウイルスに感染すると「プール熱」になります。

全て「小児に多い感染症」ですが、大人だからと言って油断も出来ません。

さらに、夏場は「細菌性食中毒」も増える季節です。
テイクアウトの食べ物には要注意ですし、大人の不摂生は免疫を乱すので禁物です。

「冷たいビール」「冷たいアイス」など「身体を冷やすものは控え目に」しましょう。

「冷えは万病のもと」
と言います。
夏は暑いのですが、冷房にあたる機会や、冷たいものを飲み食いする機会がどうしても増えます。

新型コロナウイルスでこれだけ警戒心が高まったのですから、それ以外のウイルスや細菌にも警戒はした方がよいですから、ぜひ気をつけてください。

《プール熱には漢方薬も良い》

私の友人に、耳鼻科のドクターがいます。
漢方医学にも関心ある先生で、よく東西の医学について語り合ってきました。

ある日、小学生の女の子が「プール熱」にかかり、高熱で友人の耳鼻科へ来院。
西洋医学の処置をしたあと、「何かよい漢方はないかな?」と相談が来ました。

妻に相談すると、ある漢方薬の名を出したのでそれを伝えました。

そのドクターも漢方薬は少し勉強をされていますが、妻の提案した処方は、医師の漢方薬処方マニュアルには無いらしく、
「この症状に、この薬を使うの!?」
と驚きながら、その女の子に処方したそうです。

数日後「あの漢方薬効いたわー!」と連絡が来ました。

漢方薬も薬です。
万能ではありませんが、しっかり効果は出るものです。

ただ、漢方薬には漢方のルール、診立てがあります。
「弁証」と言いますが、これがキッチリできれば漢方薬は正しく効果を発揮します。

《胃の六つ灸で胃腸を元気に!》

夏は、暑さや湿気、生活環境の影響で「胃腸のトラブル」が特に増えます。

エンテロウイルスの「エンテロ」は「腸管」という意味で、弱った胃腸から侵入してきます。

例えば「手足口病」がこのウイルスの影響で発症します。

国立感染症研究所の発表によれば、
「特異的な治療法はない。抗生剤の投与は意味がなく、合併症を生じた場合の特異的な治療法は確立されていない。」
と記載されています。

これは、基本的にウイルス感染症は同じです。
インフルエンザでもコロナでもそうです。

ですから、ウイルスのことを心配せずに、何よりも「自分の身体(自然治癒力)を強化しておく」ことが重要です。

飲食の見直しはもちろん、もうひとつオススメは「お灸」です。

以前のコラムにもあげた「足三里」
これは、胃腸を含め、内臓を元気にさせるツボですから、何は無くともここにお灸をすると良いですね。

あとは「胃の六つ灸」です。


「六華の灸」とも呼ばれますが、背中にある「隔兪・肝兪・脾兪」の左右6箇所にお灸をする方法です。

私は、胃腸だけでなく、肝炎や胆石、糖尿病などにもよく使います。
糖尿病では、特にオススメしたいツボですね。

また「精神的ストレスから来る胃腸障害」の場合は、胃の六つ灸に加え「心兪」「膏盲」「神堂」などを加えると良いです。

ここは、精神的ストレスの反応が出やすい場所です。

《ツボは左右対照ではない》

経穴の図などを見ると、定規で測ったように経穴がきれいに並んでいます。
左右で見れば、鏡に写したように左右対照に並んでいます。

実際は、そんなことはまずありません。

人それぞれ異なりますし、同じ人でも日時が変わればツボの位置は変化をします。

そのため、ツボを捉える指先の訓練も大事です。

とはいえ、初心者には難しいので、まずは図のようにツボをマークして決定します。
そこから、その前後左右を押してみましょう。

押して痛む部位(圧痛点)や、コリっとしたもの(硬結)が指に触れたら、そこにお灸をしましょう。

左右非対称で構いませんし、胃の六つ灸の場合「6箇所とは限らない」ことも認識していきましょう。

6つ以上になることはありまあえんが、5つや4つということはあり得ます。
1つの場合もあるでしょう。

場所も、本の場所と多少ずれても構いません。
大切なのは「圧痛点を捉え、そこに灸をする」ことです。

漢方薬とお灸なら自宅で継続できます。
カバンに入れておけば、旅先や出張先、災害などの避難先でも体調管理ができます。

あ、お灸は「煙」が出るので、場所は選びますが・・・

また「お灸レッスン」も再開させたいですね。