こんにちは、和氣香風鍼灸担当の山本浩士です。
私は「お灸」治療が好きで、来院されるほとんどの方にお灸を据えます。
恩師達にもお灸を叩き込まれ、ある先生はカバンの中にいつも大量の艾(もぐさ)を持って往診へ行く先生でした。
お灸は、病気や怪我などにも良いのですが、予防と長寿にも役立ちます。
今日は、そんな養生の灸の話をしましょう。
滝沢馬琴をご存知でしょうか?
江戸時代の作家さんで、日本で初の「原稿料のみで生計をたてれた人」とも言われています。
私は滝沢馬琴を、映画「南総里見八犬伝」で知り、その後小説を読んだ覚えがあります。
そんな滝沢馬琴が書いた「玄洞放言」という随筆の中に、長寿の人達について書かれた箇所があります。
その一人が、三河国の宝飯郡水泉村の百姓「満平」さんです。
近日余が視聴を経しもの、亦三人あり。
三河ノ百姓満平は、福艾の聞えあるものなり。
東岡舎の筆記に云、三河の国、宝飯郡、水泉村の百姓満平、慶長七壬寅の年、右同国同村に生れ、寛政八丙辰の年、百九十四歳なり。
享保年間、云云の慶賀により、徴れて江府に参れり。
迺白髪を献せ、御米若干賜う。
なんと194歳!!
徳川将軍家の御祝の席にも招かれ、白髪を献上し、将軍から「長寿の秘訣は?」と聞かれ「毎日、足三里にお灸をするだけです」と答えたそうです。
その奥さんは173才、子供は153才、孫は105才らしいです。
別の話では、天保15年の永代橋の架け替え時に、家族で橋を渡ったそうで、その時に満平さん243歳、奥さん221歳、子供196歳、孫151歳・・・やったそうです。
なんでも、家に霊水の出る泉があって、それを飲んでいるから長寿だという話もあるそうですが、足三里の灸は毎日されたそうですよ。
前回に書いた「原志免太郎」先生も108歳の長寿でしたが、満平さんはその上を行きますねー!
みなさん、ぜひ「足三里の灸」を自宅で実践してみませんか?
ツボの場所や、お灸の据え方を学びたい方は、薬日本堂漢方スクールでのお灸レッスンに来て頂くか、和氣香風のお灸レッスン(不定期開催)にご参加ください。