This is a kampo medicine book written in middle of the Edo period.
これは江戸中期の後世派医師の香月牛山の「牛山活套」という書物のひとつです。
夫婦そろって江戸時代の医学に興味があるので、当時の医学書を少しずつ集めています。
室町時代後期から江戸時代にかけて、後世派や古方派といった医学の派閥がうまれます。
中国が金や元と呼ばれた時代に整理された新しい医学を「金元医学」と呼び、その中の有名な医師が李杲(りこう)と朱震亨(しゅしんこう)です。
彼らの理論は室町時代に渡来し、日本ではそのまま金元医学や李朱医学と呼ばれるようになります。
室町時代の有名な医師である曲直瀬道三は、李朱医学を学び実践した代表格で、彼の医学スタイルが後世派と呼ばれるようになります。
この本を書いた香月牛山は、医学は後世派を学び、また貝原益軒から儒学を学んだ儒学者でもありました。
この書は、症状に対する処方を中心に書かれたもので、仮名遣も多くて読みやすく、妻の中医弁証にも近いものがあるそうです。
もう一つ。
江戸時代の医者についての書を見つけました。
「江戸時代に医師修業」というものです。
医学書ではなく、当時の医師はどうやって学び、生活していたのか?を資料から読み解いた書で、ジワジワと面白さを感じる内容です。
特に、地方出身の若き医師の卵達が、京都へ遊学に出た時の日記を解説したところが妙に面白い。
なかなかオススメの一冊ですよ!
温故知新、医学の勉強は面白いです。
– くま先生 –