まず姿勢を正す

師は、理論や治療法、技術のことは何一つとやかく言いませんでした。
その代わり「姿勢」だけは、常に厳しく指導されてきました。

「姿勢をきめて、全部を集中させて打て!」

これが全てでした。

そのため、僕の医術修行は「立つ」「座る」そうして「歩く」という稽古が9割でした。

道を歩く時も、電車に座る時も、カフェで座る時も、もちろん治療をする時も、とにかく姿勢の崩れがあればすぐ注意されました。

先生に誘われて、とある介護施設での往診に付き添った時の話しです。

建物に入るとき、スタッフさん達に挨拶をするとき、患者さんの部屋に入るとき、寝ている患者さんの側に座るとき、施術をするとき・・・
その全てで姿勢を細かく指導され、全てを終えて建物から一歩外へ出るとホッとしたのを覚えています。

多少の技術のミスや、どんな理論なのかは大した問題では無い、そんな感じでした。

もちろん、その意味や理由、鍛錬法なども色々とあるんですけどね。

医術修行時の話

もう鬼籍に入られてしまいましたが、鍼灸学校3年生の時から実技指導をしてくれた先生がおられました。

一風変わった老齢の先生で、飄々とされており、質問をしてもフワリと返され、特に何かを細かく教えるという先生ではありませんでした。

ただ、ある日から、先生が鍼を実際に打つところを見せてくれるようになりました。
この先生は、長い鍼を深く打つ先生で、それをどんなものか見せてくれたのです。

初めて見た時に、今までの印象がガラッと変わり「すごい先生やな!!」と思うようになりました。

先生は鍼を打つ際に、必ず足先、腰、背骨、肩・・・と自分の姿勢、重心の位置を調整されていました。

いま、中国人老師から気功を中心に学んでいます。
老師も、とても丁寧に「立つ」ことを確認されます。
それが出来てから練功がはじまり、練功中も細かく姿勢を調整されています。

日常、何気なく立ち、何気なく座り、自分がどうやって歩いているか?なんてことは考えません。

しかし「立ち居振る舞い」という言葉があるように、何事も「丁寧に行う」ことが重要です。

姿勢を整える
姿勢を正す

全てはここから!!

 

2019年は、10月末から11月にかけてイタリア出張があります。
イタリアは「指圧」が人気で、イタリアにある指圧協会のひとつで講習会を頼まれました。

僕が教えられることは「姿勢を正し、その力で施術せよ!」ということだけです。

その意味と、立ち居が整うことで生じる「力」を体験してもらおうと考えています。

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