中医師の考えるコロナウイルス感染症とお灸治療

世界中で猛威をふるい、最近一気に日本国内で感染拡大をしているコロナウイルス。

そのコロナウイルスには複数の型(大別すると「L型」と「S型」)があり、それぞれで感染力や症状に違いがあることがわかってきています。

イタリアやアメリカで流行中の型と、日本の型は違うそうです。
それは、各国の情勢を見ていると納得がいきます。

そんな中、中国やアメリカでは「中医薬(漢方薬)」を積極的に活用し、それなりの成果を上げていると報告されています。

アメリカで活躍される中医師であり薬剤博士のJohn.K.ChenとLori Hsuの両先生は、中国におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対する治療の現状を整理、編集され、発表された資料が手元にあります。

そこには伝統薬の使用だけでなく、鍼灸(特にお灸)による併用治療について書かれています。

現代日本では、まず病院へ行かれると思いますが、そこで「陰性」だった場合や、あるいは「もしかして?」と感じた時、あるいは「元気だけど予防したい!!」と言う方は多くいるはず。

そんな方には、お灸は役立つはず!
ということで、今回はそこで紹介されている経穴(ツボ)を引用してみます。

資料で使われた艾は「棒灸」が中心ですが、日本のご家庭では「せんねん灸タイプ」の台座灸が主流のため、それで代用して頂ければと思います。

 

和氣香風コラムでは、お灸の効能などについても書いてきました。
それらも参考にして頂きながら、ご自宅でお灸を実践してください。

<予防期>
この頃は、免疫機能を強化し、初期症状を緩和させることを目的とします。

・使う経穴 : 足三里 気海 中脘

・棒灸なら、両側の足三里15分、それ以外は10分。
台座灸(せんねん灸タイプ)や温筒灸の場合、時間ではなく灸熱が中に浸透するまでしっかりと。

・午後と夜の1日2回(時間は問わず)

<発熱期>
発熱、悪寒、頭痛、ノドの痛み、少量のタン、手足の怠さや痛みといった風邪の発熱症状を感じたとき。
今はこのような場合、まず病院で検査を受ける必要がありますが、今後のために知っておいて損は無いため記載しておきます。

目的は、症状を軽減させ、重症度を緩和、期間短縮を目指すことです。

・使う経穴 : 合谷 太衝 足三里 神闕

・合谷と太衝は15分、それ以外は10分、もしくは熱が浸透するまで

・朝と午後の1回ずつ

<回復期>
乾いた咳、息苦しさ、口渇などを感じるも、炎症が鎮静化傾向にある時に、その機能をサポートする目的。

・使う経穴 : 大椎 隔兪 肺兪 足三里 孔最

・全ての経穴に棒灸なら15分、それ以外なら熱が浸透するまで

・1日1回

以上になります。

日本で流行中のCOVID-19にどこまで効果が出せるかは、やってみなければわかりません。
しかし、原志免太郎先生の研究や、江戸時代の灸医学書などから考えても、お灸の実践はやって損はありません。

https://kakikofu.com/knowledge/shinkyu/新型コロナウイルス感染症と鍼灸/

こんな時だからこそ、伝統医学もしっかりと活用してください。

和氣香風では、お灸と漢方薬でコロナウイルスの脅威に負けない身体作りのお手伝いをさせて頂きます。

新型コロナウイルスと漢方養生

ウイルス感染症と食薬

お灸で風邪予防

不要不急な外出を控える要請が出されました。
避けられる危険は避けたほうが良いのは明白です。
油断大敵です!

しかし、闇雲に恐れることも、また大敵です。

自分で情報を整理、精査し、自分で考えることが重要です。

「知らないことは恐れを生む。恐れは思考を止め、生命力を落とす。敵を知り、己を知ることが大事だ。」

昔、恩師に言われたことです。

医薬品の購入や通院に関しては、必要と認識されているため、和氣香風では出来る限り対応させて頂きます。

とはいえ、情勢の変化に応じていきますので、営業時間の変更などは随時行いますのでご了承ください。

自由が丘へ来れそうにない方は、漢方薬の宅急便での送りも可能ですので、まずはご相談ください。

和氣香風でも、消毒や換気、空気清浄機の使用などを徹底しておりますので、来られる方は十分用心してお越しください。

連絡なしで来られた場合、閉まっていることもあり得ます。
また、お電話での問い合わせは、出られないこともありますので、その際はラインをご利用ください。

次回は、江戸時代の灸医学書「名家灸選」から、傷寒病(風邪、感冒)の時に使うツボの紹介をしたいと思います。

また、傷寒病と漢方薬の話や、もし臭いを感じなくなった時の対処法、もぐさを使った部屋の浄化など、今後も色々とアップしますので、よろしくお願いします。