一人一流派

30年以上、武術の修行を続けて少しわかってきたことがあります。

それは、みんなそれぞれが一つの流派であるということです。

同じ先生から学んでも、学んだ人の体格や能力は先生とは異なるため、同じ動作でも中身がかなり異なります。

同じ技(型)、方向性、理念などを持つことは可能です。
でも、動きの質や力加減などは全員異なります。
当たり前の話です。

良いものをコピーしても、多くは劣化コピーになります。
劣化コピー版から更にコピーを重ねれば、品質はオリジナルからは程遠いものになってしまいます。

それは、本当に大事なことを学び取れなかった結果と言えます。
表面的な技術や理論はコピー出来ても、それは中身の無いものです。

大事なことは、ただのコピーではなく、それを越える努力と工夫と勉強が欠かせないという事です。

世の中には、それをせずに劣化コピー版を売り捌くビジネスも横行しています。

「1日であなたも達人になれる」
というようなセミナーもよく見かけますが、僕はそんなものではないと知っているので興味がありません。

贋作は贋作です。
どれだけ本物と見分けがつかなくても、コピーはコピーです。

ただ、見方を変えれば、それは贋作ではなくオリジナルとも言えます。

素晴らしい贋作が作れるなら、素晴らしいオリジナルを作ればいいだけですね。

でも、素晴らしいオリジナルというのは、縁が無ければ出会えません。
難しいところです。

大事なことは、教えてくれる先生が、どういう勉強や修行をしてそのレベルに到達出来たのか?を理解し、そこを学ぶことだと思っています。

それは贋作を見極める目を養うことにも通じます。

登山口やルートは沢山あっても、山頂は一つです。

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